もやもや病の子供たち

長男は6歳、三男は2歳でもやもや病を発症。そんな子供たちの闘病記録です。

もやもや病の手術・入院生活(三男の場合、手術1回目)

三男のもやもや病の検査や手術入院の経過をまとめてみました。
 
【この記事の目次】

初めての手術

8月にもやもや病と診断された三男。
長男と比べても発作が頻回であったこと、幼少のため運動や大泣きを制限することが難しいため、すぐに手術を行うことになりました。
脳血管撮影検査の結果、右内頚動脈先端はほぼ閉塞していることから、右半球を開頭する間接バイパス手術です。
現時点では血流はそれなりに保たれていること、また低年齢で血管が細いから直接バイパスは行いません。
 

検査~手術まで

三男は初めての手術ですが、長男はこの病院でもう4回も手術を受けているし、先生や看護士さんたちも皆さんよく知っている方々なので、安心して手術に臨むことができました。三男のもやもや病発覚後はすぐに手術を受ける前提で日程等の調整をしてくださったので、初めての発作から入院まで1ヶ月ちょっととわりとスピード感のある闘病生活のスタートになりました。
 
まだ2歳だし、24時間付き添いが必要なので、家に残る家族のことなども考えて入院期間をできるだけ短くするよう、血管撮影や血流検査の入院と手術を間をあけずに行うことになりました。実際には検査後にとくに問題がなかったので一度退院して週末は家で過ごしたのですが、後から考えると再入院の手続きが面倒だったので、外泊にしてもらえばよかったー!
 

検査入院

血管撮影検査と脳血流シンチを全身麻酔で続けて行います。
前日の夕方に入院し、その日はとくに制限もなく普通に過ごします。
検査当日は朝から飲食禁止。術衣に着替えて点滴を入れ、鎮静の座薬を挿入。
(鎮静は手術室に行ってから子供がパニックにならないように使うと説明されました。でも三男はあまり変化なく、手術室に入るまで普通におしゃべりをしてました。)
検査時間は9時~11時半、熟睡状態で病室に戻ってきました。
寝たままの状態で検査終了の1時間後にカテーテルを抜いた股の部分のテープを剥がします。
このテープは強粘着なので長男の時は大騒ぎだったのですが、何事にも動じない三男は寝たまま終了。
さらに1時間はベッドの上で安静とのことだったけれど、目を覚ましてしまったので、ベッドの上での動きを制御するのに苦労しました。
安静解除されるとさっそくプレイルームで動き回り、足の付け根のあざが広がってしまうけど、2歳児の行動を制限するのはほんとに無理!
その日の夕方には検査の結果の説明を受けて、手術の内容を確認し、予定通り手術を行うことが決定。
 

検査の結果

脳血管撮影検査の結果、右内頚動脈先端はほぼ閉塞しており、もやもや血管が発達していること、左もまだ閉塞はしていないものの、先端が細くなっていることが判明。
血流検査では、それなりの血流は保たれていて、負荷をかけても反応はある程度認められたものの、右前頭葉ではやや反応性が悪いことが判明。
これまでの症状が右半球であることや抗てんかん薬を投与後も発作が起こっているため、手術を薦めるとのこと。
現状でもある程度の血流があるため、間接血管吻合を実施することが決定。
 

検査の翌日、発熱

朝から38℃以上の熱が続いて終始ぐずぐず。うとうとしたり、泣いたりを繰り返す。
念のため採血をしたけれど、これといった原因は見当たらず。
多分、全身麻酔を使った影響とのこと。
ほんとだったらその日に退院できる予定だったけれど、延期。
翌日には熱も下がり、機嫌もよかったので、一度退院。
 

手術入院(手術前日入院~当日)

主治医の先生は水曜日が手術の日なので、週末は家で過ごし、火曜日の夕方に再入院。
この日もとくに制限なく、プレイルームで遊んだり、のんびり過ごします。
手術当日は7時以降飲み物禁止なので、6時過ぎに起こしてジュースを飲ませ、手術の準備まではプレイルームで時間つぶし。
8:30に着替えて処置室で点滴。部屋に戻りベッドで鎮静の座薬挿入。
9:15に手術室へ移動。手術室前で私たちと別れる時も動じることなくバイバイもできる。
手術室に入っても緊張はしているものの先生と話せていたらしい。
 
15:00にICUに呼ばれる。終わるのずいぶん早かった。(17時位まではかかると思っていたから)
一度鎮静を覚まして手足の動きを確認してからまた鎮静。泣くといけないのでこのままずっと鎮静で様子をみるとのこと。
1時間おきくらいに目を覚ますけどなだめるとまた寝ていく。夜中1時の時は泣き止まずに暴れかけたので鎮静追加。
 

手術翌日 ICU

6:00前に目を覚まし、なだめて過ごす。7:00からCT。なんの問題もなかったようで左手の点滴を抜く。
今日はこのままずっと鎮静かけて明日病棟に戻る予定。
頭の血?を抜く管を抜く時は追加の鎮静がいるかと思ったけれど、これもまったく動じず泣かずに終了。
夜に泣き暴れが始まり鎮静追加、それでも収まらず時間をあけてさらに鎮静追加。
その後は夜中に何度か目を覚ますも鎮静追加なしでなんとかしのぐ。
 

手術翌々日 ICUから病棟に移動

7時に鎮静の点滴を終了。ベッドの上で身体を起こす許可も出て、ジュースを飲んだり、DVDを見て過ごす。
お昼前に小児科病棟の個室に移動。昼食から食事可となり、たまごボーロをつまんだり、ゼリーを食べたり。
1日中ベッドで動画やDVDを見て過ごす。
夕飯のバナナにかぶりつけず。口を開くところにつながる筋肉を剥がしているので開けづらいのかも、とのこと。
 

手術5日後 大部屋に移動

みるみる元気になり、顔の腫れもひいて、すっかりいつも通りの三男に。
頭ぐるぐる巻きだった包帯も外れる。
院内歩行許可もおりて、プレイルームで点滴を引っ張りながら遊ぶ。
元気過ぎるのか、個室を追い出されて大部屋に。(この時期、小児科激混みでした)
 

手術6日後 2回目のCT、点滴がはずれる

手術後2回目のCTで問題なし。
点滴も外れて、開放感たっぷり、プレイルームで思う存分遊ぶ。
 

手術7日後 抜糸開始

頭の表面を縫っているホチキス針の抜糸。全部で50本くらい?のうちの半分を抜く。
お昼寝中に決行したので寝ぼけて泣きべそをかいたものの、逃げる様子もなく終了。
あとから聞いたら「全然痛くなかった」とのこと。ほんとか?
 

手術8日後 ホチキス針の抜糸終了

ホチキス針の残りをすべて抜糸。泣かない。余裕。昨日は寝ぼけてただけのようだ。
糸で縫ったところ1箇所だけ残す。そこだけ傷口の治りが悪いみたい。
 

手術9日後 シャワー許可

シャワー許可がおりる。
頭を濡らさないようにシャワーキャップ代わりにビニール袋をかぶせて首下のシャワー。
久しぶりで「きもちかった!」とのこと。
もう元気なので普通なら退院できそうな勢いだけど、傷口の治りが悪い部分がしっかり治らないと退院させられないとのこと。
長男の時に骨髄炎になったり、縫合不全で再手術になったりしているので、今回はかなり慎重に。
 

手術12日後 最後の抜糸

残っていた糸の抜糸。まだかさぶたは取れていない。
本当に元気過ぎて、小児科としても早く退院してほしそう。
 

手術13日後(入院からちょうど2週間) 退院

かさぶたは取れていないけれど、通院で様子をみるということで退院の許可がおりる。
そそくさと退院準備して、午前中に退院!
 
入院からちょうど2週間、後半1週間は元気過ぎて、病院にいなきゃならないのが不思議なくらいでした。
処置はおろか血圧測るのですら断固拒否大暴れの長男に比べて、何事にも動じず、泣かず、余裕の三男の入院生活はそういう意味ではとっても楽でした。
ただ、2歳児なので片時も目が離せず、気が抜けなかったのは辛かった。。。
なにはともあれ元気に退院できてよかったです。
保育園に通園再開できるまでは自宅安静ですが、三男とゆっくりと過ごす時間を楽しみたいと思います。

 

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三男のもやもや病

長男だけじゃなく、三男ももやもや病だった!?

我が家の長男は2年前、6歳の時にもやもや病を発症し、入院・手術を繰り返してきました。
そして、この夏に2歳の三男ももやもや病を発症、兄弟で同じ病気を患っています。

今日はこの三男のもやもや病の発覚から現在までを書いてみようと思います。

 

 【この記事の目次】

 

発覚のきっかけ 初めての発作?

三男は兄弟で唯一、熱性けいれんを起こしたことがあること以外はとにかく元気で、よく食べ、よく眠り、いつも上機嫌で手のかからない子供でした。
兄ちゃんたちと同じように空手を習うのを楽しみにしていて、家でも真似をしてキックやパンチを繰り出す暴れん坊。
生後6か月の時から保育園に通わせているので、長男の度重なる入院生活もなんとか乗り切ってきました。
この夏は長男が手術&縫合不全の再手術でバタバタしていたんです。

そんな7月の終わりのこと。
末っ子でよく泣く三男は、いつものごとく次男とケンカをして大泣きした後、慰めてもらおうと私のところにやってきます。座っている私の膝に顔をうずめてしばらく泣きべそをかいた後、立ち直って後ずさる時に足がもつれたような感じで屈みこんでしまいました。
おや?と思って抱き上げると左手、左足が脱力しており、上体もゆらゆらして、しっかりと体勢が維持できない。
ええ~?と思って声をかけると、顔が引きつった感じで、目も焦点が合っていない。
そのうち、変な顔で笑うような表情になり、笑う度に舌がちょろっと左側に出てしまう状態が5分ほど続きました。
そして、何事もなかったかのように、また遊びはじめたんです。

この瞬間に、あ~この子もか~と覚悟しました。

長男の時の脱力発作とは少し雰囲気が違うものの、こんな症状が起こるのはもやもや病以外に考えられないと思ったんです。

 

発作の翌日、MRIの予約

翌日にかかりつけの小児科に行き事情を説明して、長男と同じ総合病院への紹介状をもらって、その足で受診、MRIの予約にこぎつけたのですが。
2歳児ということでMRIの際に鎮静をかける必要があることから、最短でも予約までに半月かかりました。

 

MRIを受ける前に2回目の発作

朝食を食べている途中に突然泣き出し、そのまま前屈みになって力が抜けていく感じになる。
全身に力が入らずぐったりしている感じだが、どちらか片側が完全に脱力している訳ではない。
そんな状態が5分ほど続いて、復活。何事もなかったかのように朝食再開。

その日の夕方にも、寝転んでいる状態から立ち上がったらしっかりと力が入らずよろめく。
少しぐったりしている感じだけれど、脱力しているほどではない。
しばらくメソメソして復活。

こんな感じの症状だと、長男のことがなければ、単なる立ち眩みと思っていたかもしれません。
それぐらいもやもや病の発作は、「ん?なんだったの?」と思う程、何事もなかったかのように復活します。(我が家の兄弟の場合)

 

MRI当日

鎮静のシロップを飲ませてもなかなか眠ってくれずかなり苦労して寝かしつけ、受付時間終了間際のMRIに滑り込みセーフ。
ぐっすり眠っていたので、1時間弱で無事に撮り終えたとのこと。
その日は結果が出ないので、翌日の診断を待つことに。

 

もやもや病の診断

翌朝、やはり三男ももやもや病の疑いとの診断結果を受けます。
MRAで右側がとくに内頚~中大脳動脈の狭窄変化が疑われるとのこと。
初見には「もやもや病の初期変化を見ている可能性高い」と記載されていました。
小児科では採血をして、もやもや病以外に血流障害が起こるの病気を否定したら、あとは脳外科に引き継ぐとのこと。
てんかん薬が処方され、この日から服薬を始めます。

 

もやもや病、確定

採血の結果、他の病気の疑いは排除できたので、もやもや病の確定診断。
これ以降は診療科を脳外科に移し、長男と同じ部長先生が主治医となります。
長男の発覚時に比べると発作が頻回であることを考えると、できるだけ早く手術をする必要があるが、2歳という年齢がネックに。
脳外科としては手術そのものは可能だが、麻酔科やその後の経過を診る小児科の体制を整えられるかわからないので院内で相談したいとのこと。もし無理なら大学病院に紹介する形になると言われました。
他の兄弟の世話もあるので、できるだけ長男と同じく車で通院が可能なこの病院で手術を受けたい旨を伝えて帰宅。

 

手術の日程が決まる

その次の診察で当病院で手術可能との連絡を受けます。
小児科が手術後の受け入れ体制を整えてくれるとのこと。
できるだけ入院期間を短くするために、脳血管撮影とシンチをした流れで手術までもっていくことに。

 

脳血管撮影検査と脳血流シンチ

全身麻酔にて脳血管撮影と脳血流検査を受けます。


脳血管撮影検査の結果、右内頚動脈先端はほぼ閉塞しており、もやもや血管が発達していること、左もまだ閉塞はしていないものの、先端が細くなっていることが判明。
血流検査では、それなりの血流は保たれていて、負荷をかけても反応はある程度認められたものの、右前頭葉ではやや反応性が悪いことが判明。
これまでの症状が右半球であることや抗てんかん薬を投与後も発作が起こっているため、手術を薦めるとのこと。
現状でもある程度の血流があるため、間接血管吻合を実施することが決定。

 

手術当日

全身麻酔で、右半球を開頭し、筋肉や皮下の帽状腱膜という組織を有茎で持ってきて脳表に張り付ける手術を実施しました。
2歳と幼少で貧血が怖いので少し切っては止血を確認して進めていくので時間がかかると言われていたけれど、想定しているよりもかなり早く5時間半ほどで家族待合に連絡が入りました。
(長男の時は7時間ほどかかったので、もっとかかると思っていた)
麻酔が切れるタイミングで左手足の動きを確認して、すぐに鎮静をかけます。
もやもや病は泣いて過換気になることが一番心配なので、しばらく鎮静で様子を見ることに。

 

ICUでの2日間

手術の翌日はICUで過ごし、ずっと鎮静をかけてうつらうつらさせている状態。
目が覚めてきて大泣きしそうになると鎮静を追加して、強制的に眠らせます。
手術翌々日の朝に鎮静を解除し、容体が落ち着いていることを確認して小児科病棟へ移動。

 

順調に回復

小児科病棟に戻ってからはとにかく元気で、あっという間に点滴も外れ、いつも通りに。
手術した頭を痛がる様子もなく、高熱が出ることもなく、順調に回復しています。
手術からちょうど1週間後に抜糸開始。2日に分けてホチキスの抜糸を終え、傷口の治りの悪かった部分の糸の抜糸も本日無事に終了!
あとは傷口がキレイに、完璧に治ったことが確認できれば退院できることになってます!

 

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子供のもやもや病ブログはじめました

このブログについて

このブログはもやもや病を患う2人の子供の病気発覚から手術後の経過など闘病に関する記録を残すために立ち上げました。


なぜ「もやもや病ブログ」をはじめたのか

長男のもやもや病が発覚したときに、まずしたことがネットでの情報収集でした。
病気についての説明は医師からも受けていたし、インターネットにもけっこう詳しい情報が載っていた。
でも、もやもや病を発症した子供が、どのようなタイミングでどんな手術を受けるのか、経過はどうか、術後にどんな生活が送れるのか、家族はどうやって支えていくのか、そういった当事者の情報は見つけるのが難しかった。

もやもや病に関するブログも色々読み漁って、それなりに情報を得ることはできたのですが、そういうブログってわりと日記のような内容が多くて、その瞬間に私たち親が知りたい情報というのはちょっと違ったんです。
そういうブログは、どちらかというと闘病が始まってから情報交換のできる仲間を見つけられる場という意味で価値があったと思います。
実際に私も長男の最初の手術の頃から闘病記的なブログを書いて、そこで自分の気持ちを整理したり、同じような境遇の方に励ましてもらったりもしました。

でも、そのブログは長男が回復していくにつれて更新が滞るようになり、今では完全放置。
そういうブログってわりと多いんですよね。一番大変な時、辛い時は、その気持ちを吐き出すためにブログを書くけれど、治っていく過程で日常生活が戻ってくると、日々の忙しさで更新が滞り、フェードアウトしていく感じなんじゃないかな。(私は完全にそのパターンだった)
元気になったのならそれは喜ばしいことなんだけど、情報を求める方側としては、「それからどうなったの?」「元気になったの?」「どういう生活を送れるの?」「再発は?」などなど一番気になっている部分が分からないよ~と思っていて。

だから、自分が、我が子が、身近な人が、「もやもや病」だと発覚したときに、その人が知りたい情報がわかりやすく書いてあるブログを作りたいなと思いました。
自分自身もこのブログに整理していくことで、状況を確認しながら、子供たちと明るい未来を歩んでいきたいです。
あくまで我が家の事例なので、あまり参考にならないかもしれませんが、少しでも不安に思っている誰かのお役に立てると嬉しいです。

 

当事者の皆さん、情報交換お願いします!

このブログで疑問に思ったことや気になることがあったら、ぜひコメントやメッセージをください。
我が家の場合はこうだった~等の体験談も大歓迎です。
長い目で子供たちの経過を残していけるブログにしていきたいです。
それでは、今後ともよろしくお願いいたします。

 

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